主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が18日から、2日間の日程でブラジル・リオデジャネイロで開かれる。ロシアによるウクライナ侵攻やガザ紛争で先進国とグローバルサウス(新興・途上国)が分断される中、来年1月には「米国第一主義」を掲げるトランプ次期米大統領が就任する。不確実性が高まる世界情勢を前に、実効性のある首脳宣言を出せるかが問われる。
焦点の一つが気候変動対策だ。トランプ氏は地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」からの再度の離脱を宣言するなど、国際協調に背く姿勢を取る。G20議長国のブラジルは来年の国連気候変動会議(COP30)でも議長国を務める予定で、ルラ大統領はアマゾンの森林保護に力を入れる。首脳宣言には、米国の協定離脱を牽制(けんせい)する文言が入る可能性がある。
G20に先駆け、17日には米大統領として初めて、バイデン氏がブラジル北部のアマゾン地域を訪問した。バイデン氏は記者会見でトランプ氏の名前は出さずに、「環境と経済のどちらかを選ぶ必要はない。両立が可能だとこれまでも証明してきた」と訴え、アマゾンを保護する「アマゾン基金」に5千万ドル(約77億円)を追加拠出すると発表した。
一方で、調整が難航しそうな…